生命保険の売り方の変遷(その1)
売り手の事情を知ることは、言われるままに契約して、後で後悔するといったことを防ぐ意味で一般利用者にとっては意味のあることだと思います。ここでは売り方の変遷をパッケージ商品との関連で解説します。
生命保険は本来、画一的に販売される商品ではないはずです。
何故かというと、加入者それぞれに事情は異なり、それに応じて保険の目的も異なるからです。つまり、100人いれば、100通りの生命保険が設計される、そういうものなんです。
ところが、保険会社は長らく「売り易さ」を優先してきました。いわゆる「保険のおばちゃん」を大量に採用して大量販売を志向してきました。当然ながら、最大公約数をイメージしたパッケージ商品を作り、営業職員にはそれを売るように教育してきたのです。その方が教育も簡単で、早く成果を挙げられるからです。
その結果、まず商品ありき、といった感じになってしまいました。
まず定期付き養老保険、次に定期付き終身保険といったパッケージ商品を売りまくる、といった状況が出現しました。どんな人に対しても同じ商品を売ったのです。
あっという間に加入者は増え、生命保険の加入率は飽和状態を迎えるに至りました。
保険会社は新規の契約を取るために「転換」という手法を使うようになりました。加入中の保険を「下取り」して新しい保険に乗り換えを勧める販売手法です。
これがすべて悪いわけではありませんが、問題はデメリットの説明がないままに進めてしまうケースが多かったということです。
例えば高金利時代に契約している「予定利率」(保険会社が約束している運用利率)が高い商品を「転換」によって予定利率の低い商品に乗り換えさせる、といった手法が横行したことは後に批判の的になりました。これは保険会社にとっては金利が安いローンに借り替えるようなもので、大変助かるのですが、契約者にとっては逆に不利になるわけです。
契約者は結果として割高な保険料を払わされることになるんですが、その説明がほとんどなかったのです。